2006年03月03日

ウナギのふしぎ

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 昨年、ウナギ界で話題になった本がある。リチャード・シュヴァイド著『ウナギのふしぎ――驚き!世界の鰻食文化』(梶山あゆみ訳、日本経済新聞社、2005年)がそれである。原題は「Consider the Eel : A Natural and Gastronomic History」。私はこの本によって、蒙を啓かれること大であった。

 例えば、イタリアなどヨーロッパでは好んでウナギが食べられているが、これに対してアメリカ人は全くといって良いほどウナギを食べないらしい。(というか蛇蝎のように嫌悪しているとか。)およそ理解できない事柄であるが、だとするとブッシュがあれほど世界から嫌われるのも、きっとウナギを蔑ろにしているからに相違ない。なるほど、と得心がいった。

 またこの本では、ヨーロッパにおけるウナギ漁が盛んな地域として、スペインのバスク地方と、北アイルランド地方の二つが採り上げられているのだが、すぐに気がつくように、これらはETA(バスク祖国と自由)やIRA(アイルランド共和国軍)といった武装組織の本拠地なのである。実際、ウナギ漁に携わる漁師の中には、これら独立運動の支持者も数多くいるらしい。だとすれば、ここに「ウナギと革命」という実に魅惑的なテーマ設定が生まれてくるわけで、私は読んでいて興奮を抑えることができなかった。

 その他、この本の中には、せいぜい蒲焼き・白焼き・うざく…といったレシピしか知らないわれわれにとって、想像もできないほどバラエティ豊かなウナギ料理の数々が紹介されている。ウナギの知られざる生態や、あるいは含蓄に富んだウナギ語録――それはまた機会を改めて紹介しよう――など、いやはや、これは江湖のウナギファンを唸らせる好著である。
posted by unagi at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | ウナギ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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