2007年06月29日

毛皮族「天国と地獄」

kegawazoku.jpg シアターテレビジョン(スカパー)で毛皮族の「天国と地獄」をやっていた。4月に新宿シアターアプルで上演されたもので、東京まで見に行ったのだが、今回あらためて見て、やっぱり毛皮族はすばらしいと思った。もちろん、この公演は酷評の嵐で、一緒に行った連中もあまりのつまらなさに激怒していたのだが、それでもフィナーレのフレンチカンカンだけは本当にすばらしかったし、いかにも毛皮族らしくて、楽しかった。

 失敗の原因は、ハコがでかすぎたこと、そして何より脚本がオッフェンバックの原作そのまますぎて、ダレダレになってしまったことだ。同じプロデュースで上演されたブルースカイ作演の「レミゼラブ・ル」(ママ)もかなり原作に忠実だったので、ひょっとしたら制作側の意向かもしれないが、黒沢明の同名映画(芝居の冒頭で例の身代金入りトランクが意味ありげに出てくる)と綯い交ぜにして、もっとメチャクチャな台本にしたら良かったと思う。

 そういえば、「天国と地獄」も「レ・ミゼラブル」も、ともに第二帝政期の作品だ。第二帝政下パリのブルジョア民衆が、いかに熱狂的にオッフェンバックを支持したか(そしてワーグナーを嫌悪したか)については、浅井香織『音楽の<現代>が始まったとき――第二帝政下の音楽家たち』(中公新書)という研究があって、これはなかなか面白い本である。

 それにしても「レヴュー」というのは、なぜこうも人の胸を熱くさせるのか。何度もアンコールされる毛皮族のレヴューを客席から眺めながら、自分はこういうのが若いときから本当に好きだった、そして今も大好きだし、これからもずっと好きだろう、と思った。ああ、毛皮族!そして誰よりもすばらしい、町田マリー!!
posted by unagi at 23:49| Comment(2) | TrackBack(0) | 演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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