2008年01月15日

三人吉三の物語

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 招待券を手に入れたので、ひさしぶりに南座へ出かける。(先月は金がなくて顔見世に行けなかった。)

 前進座の「三人吉三」。残念ながら土佐衛門伝吉(小佐川源次郎)以外にあまり見るところのない舞台だったが、それでもやはりこの芝居は何度見ても面白い。

 ストーリーは、お嬢吉三/お坊吉三/お尚吉三という3人の盗賊が、ひたすら強盗や殺人を繰り返し、運命の糸に絡めとられて破滅していく物語。こういう芝居を初春に見ると、ことし一年もがんばって悪いことをしよう、というすがすがしい気持ちになってくる。

 悪の輝き。悪 アズ ナンバーワン。

 そういえば先日、イギリスで、生き別れになった双子の男女が、お互い知らずに愛し合って結婚していた、というニュースが話題になった。2人は「双子とは知らなかった。お互いに避けがたい魅力を感じた」と話したとか。

 「三人吉三」に、まったく同じ話がある。生き別れになった十三郎とおとせの2人もまた実は双子の兄妹だったのだが、こちらの2人のほうは、兄・お尚吉三の手によって首を斬られて殺されてしまうのだ。理由は「畜生道に落ちた」から。

 おそろしい話だが、その点、現代においては、裁判所に「婚姻無効」を言い渡されるだけで済むのだから、実に安心だ。
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2008年01月08日

まぼろしの鰻屋

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 昨年末、先達に連れられて、まぼろしの鰻屋「鮒末」へ行った。なぜ“まぼろし”かというと、そこは毎月21日しかやっていないからである。東寺の東門を少し上がったところにあって、「弘法さん」に合わせて店を開くのだ。
 2007年、私にとって最も印象深かったウナギとの出会いである。

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2008年01月07日

東京/亀戸餃子

kameido_gyoza1.jpg 私はグルメではないし、外食もほとんどしないので、いわゆる「うまい店」というものにあまり興味がないのだが、東京に帰るとついつい、なんとなく食べたいなー、と思ってしまうものがあって、それは例えば「富士そば」だったり、「大黒屋」の天丼だったりするわけだけれど、中でも「亀戸餃子」には、つい毎回フラフラと入ってしまうのである。いわゆる、「ふるさとの味」というやつなのだろうか。(亀戸駅の北口を出てすぐの路地にある。)

kameido_gyoza2.jpg ちなみに、深川というと、「ああ、もんじゃ焼きの。」などとたまに言われることがあるが、まず地元民は食べない。月島といえば、レバカツだ。






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2008年01月04日

東京/元旦・2日

EPSN1348.JPG 1月1日。元旦は、都内某所にある、カフェ「エノアール」へ行ってきた(ここへ行くことは長いあいだの念願だった)。それは静かな林の中にあって、黒い猫がいて、人々がみんな絵を描いている、不思議なカフェだった。

いちむらみさこ『Dearキクチさん、―ブルーテント村とチョコレート』(キョートット出版、2006年)

EPSN1349.JPG 差し出された、お雑煮やお茶やみかんを頂きながら、かつて石垣カフェの裏手にあった、「いしがき寮」での生活を思い出した。何というか、生活の質というか、作法というか、一言でいえば「ミニマルな生活」ということになるのだろうか。それが驚くほど似ている。無駄なものをすべて削ぎ落とした軽さ。そして、ゆるやかな時間の流れ。

 人は誰でもこのように暮らすことができるし、3年前、私たちもまた、確かに、このように生活していたのだった。

EPSN1355.JPG 1月2日。例年のように歌舞伎座の初日を見に行く。今年は「猩々」「一条大蔵譚」「女五右衛門」まで幕見。

 いま、87歳の雀右衛門が、「女五右衛門」でほぼ1年ぶりに舞台へ立つ。南禅寺山門の場、10分あまり。「京屋ッ!」という降るような掛け声の中、浅葱幕を切って現れた雀右衛門の姿に、なんとも胸が熱くなった。

 台詞はもう、ほとんどまともに聞き取れない。変な間が何度も何度もあいて、客席はみなハラハラして息をつめている(こんなスリリングな舞台は見たことがない)。だがしかし、あのいつもの声、そして錦絵のような立ち姿!

 私は27歳のとき、生まれて初めて歌舞伎を見たので、歌右衛門も梅幸も知らない。だから私にとっての歌舞伎はずっと雀右衛門だったし、揚巻も、八ツ橋も、お三輪も、雪姫も、八重垣姫も、道成寺も、みんな雀右衛門で見た。雀右衛門が私の熱中のすべてだった。

 かなしいというか、何というか、ただ、胸が熱くなった。
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2008年01月01日

東京/おおみそか

manpuku.JPG 東京に帰ってきた。やはり都会はいい。本当にいい。渋谷の街中なぞを歩いていると、わけもなく心がウキウキしてくる。まず、若者がみんな顔にピアスをしている。ドンキホーテもある。話に聞いた「フリーハグ」という連中が駅前に並んでいる。京都にはない風景だ。

 この秋に、佐野眞一『東電OL殺人事件』(新潮文庫)という本をブックオフの100円コーナー(最近ここでしか本を買わない)でたまたま見つけて読んでからというもの、ずっと東電OLのことが気になっていた。そこで、おおみそかの夜、事件現場を訪ねてみることにした。

jizou.JPG 写真は、殺害現場となった「まん福亭」上の木造アパート。神泉のすぐ駅前にあって、事件から10年以上たっても変わらずに残っている。

 2枚目は、円山町の迷路のようなラブホテル街の中にある道玄坂地蔵。東電OLはいつもこの前で客引きをしていた。余談だが、私が渋谷の街をウロウロしていた91〜92年頃、「まんだらけ」というマンガ屋がラブホテル街のど真ん中に出来て、アベックとオタクが(互いに敵意を露にしながら)すれ違う風景がよく見られた。

toshikoshi.JPG 3枚目は、年越しそば。表参道「古道」のおろしそば。やはり東京のそばはおいしい。





posted by unagi at 23:37| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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