
周知のように、長居のテント村は、昨年2月5日の行政代執行によって完全に撤去されてしまったのだが、そのときの映像は今もYouTubeで見ることができる。
長居公園行政代執行;芝居による抵抗 その2
http://jp.youtube.com/watch?v=h8AqNM2siJs
長居公園強制代執行;緊迫のなか、当事者・支援者からの訴
http://jp.youtube.com/watch?v=P-r3kfGQ068
私はこの「芝居による抵抗」を見ると、かつて戦火のサラエヴォで、批評家のスーザン・ソンタグが「ゴドーを待ちながら」を上演したという挿話をいつも思い出す。長居での芝居について、「ここは日本で唯一、演劇を必要としている場だ」と、ある演劇評論家が語ったそうだが、演ずるということが真に「力」を持つというのは、実に稀有のことではないだろうか?
そして今回あらためて思ったのは、これがいわば「劇中劇」である、ということだ。例えば「ハムレット」がそうであったように、ホームレスの住人、支援者、市職員、そしてマスコミ関係者という何百人もの人たちが演じる壮大な「劇」のただ中に、入れ子状になってもうひとつの小さな「劇」が繰り広げられている。空虚で滑稽な権力のパフォーマンスのさ中で行われた、ささやかな抵抗。これは実に、不思議な光景だ。
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(追記)明日、京大で面白い講演会が開かれるそうです。
大学を遊び場(コモンズ)に −遊び場を作るための論理−
講師 崎山政毅 (立命館文学部教授 ラテンアメリカ近現代史)
日時 5月21日(水)19時より
場所 法経5番教室
主催 農学部学生自治会(無料)
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