2007年03月13日

東京都知事選・5

kubidai.jpg 都立大学も悲惨なことになった。

 かつては文系の名門として知られた東京都立大学――だが、いまや石原慎太郎の手によって「首都大学東京」となり、人々から首大(クビダイ)と蔑まれるようになった。「滝川事件」さながらの弾圧によって、大学の自治は完全に失われた。

 そもそもの始まりは、石原が知事選二期目の公約に「全く新しい大学を作る」という一項を(思いつきで)入れたことに始まる。それはある意味、正しかった。学長を教授の選挙で選ばない大学。現場の声は一切聞かず、すべてがトップダウンで決められる大学。市場原理が貫徹した大学。そんな大学は、たしかにこれまでなかった。

 新大学への移行計画は、教授や学生たちの全くあずかり知らぬところで作成され、唐突に発表された(情報公開ゼロ!)。驚くことに、当時の総長でさえ、新設大学の議論に参加することができなかったという(したがって、大学の設立理念や組織設計などは、すべて河合塾に外注して作成されている)。

 その過程で、「実学」とは認定されなかった文学系5専攻(英文・独文・仏文・中文・国文)は完膚なきまでに解体された(篠田一士が生きていたら何と言うだろうか?)。予算削減のために、英語の授業はベルリッツに外部委託されることになった。

 当然のことながら、全学部で猛烈な反対が巻き起こり、150もの抗議声明や公開質問状が出された。しかし石原はこれをすべて無視した。結果として、大量の教員がこの大学に見切りをつけ、外部へ流出することになった。

 なかでも、近代経済学のCOEグループでは、相次ぐメンバーの抗議辞職によって、ついに研究継続の断念を余儀なくされた。しかし石原慎太郎は、「一部のバカ野郎が反対して金が出なくなったが、あんなものどうでもいい」と言い放った。私はこの一言を決して忘れることはないだろう。(続く)
posted by unagi at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 都知事選 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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