2007年03月16日

東京都知事選・8

cartier.jpg 東京の下町に東京都現代美術館というのがあり、実家のすぐそばなので帰省のたびによく見に行く(子供の頃、ここは広大な空き地でよく虫取りなどをした)。東京にはバブル全盛期に次々と作られた巨大なハコモノがあって、東京都庁舎、江戸東京博物館、東京国際フォーラム、新国立劇場、そしてこの現代美術館を合わせて「バブル五大クズ建築」と呼ばれている。これを命名したのは磯崎新だが、彼の『東京現代建築ほめごろし』という本はなかなか面白い。

 むかし、ここで展示を見ていたら、視察中の(今は亡き)青島幸男にばったり出くわしたこともある。大勢の役人を引き連れてガランとした展示室に突然乱入してきた青島都知事は、「これは光琳だね」と私のほうへ話しかけてきた。それは有名な風神雷神図屏風をパロディにした現代絵画であったが、そばの役人はすぐに「宗達です」と訂正した。

 そんな私にとって思い出深い美術館なのであるが、ここでも石原慎太郎は、およそ信じがたい暴言を残している。それは昨年、カルティエ財団コレクション展の開幕式典においてのことだ。来賓として招かれた石原は、居並ぶ列席者を前にして、当のコレクションの内容を罵倒し始めたのだ。「現代芸術はガラクタ」「こんなものをコレクションするくらいなら日本人作家の作品を大量購入するべきだ」「西欧芸術よりも日本芸術のほうが優れている」など、彼は言いたい放題に発言し、居並ぶ関係者すべてを凍りつかせた。事情を知らぬ人たちは、「彼は酔っ払っているのか?」とささやき合った。当日の模様は「リベラシオン」の記事に詳しく報告されているので、ぜひ目を通して頂きたい。

 実際に、カルティエ展の内容がすぐれたものであったか否かは(見てないので)ここでは措いておく。石原の暴言は、それよりずっと以前の問題である。そもそもこの男は、アートなどには無縁の男なのだ。私は美術館で出会った青島幸男の、慎ましやかで気さくな態度を今では懐かしく思い出す。

 こうして、東京都現代美術館の作品購入費はついにゼロとなった。もちろん一方で石原が、自称画家の四男のためには、多額の予算(東京ワンダーサイト事業)を使いまくっていることは言うまでもない。(続く)
posted by unagi at 16:57| Comment(2) | TrackBack(0) | 都知事選 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
続き、めちゃ気になります。
私も東京ワンダーサイト事業にはちょっと疑問を持っているので。
Posted by bunco at 2007年03月17日 06:27
続きは乞うご期待。現在いろいろ調査中です。
Posted by unagi at 2007年03月25日 23:20
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