2008年01月15日

三人吉三の物語

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 招待券を手に入れたので、ひさしぶりに南座へ出かける。(先月は金がなくて顔見世に行けなかった。)

 前進座の「三人吉三」。残念ながら土佐衛門伝吉(小佐川源次郎)以外にあまり見るところのない舞台だったが、それでもやはりこの芝居は何度見ても面白い。

 ストーリーは、お嬢吉三/お坊吉三/お尚吉三という3人の盗賊が、ひたすら強盗や殺人を繰り返し、運命の糸に絡めとられて破滅していく物語。こういう芝居を初春に見ると、ことし一年もがんばって悪いことをしよう、というすがすがしい気持ちになってくる。

 悪の輝き。悪 アズ ナンバーワン。

 そういえば先日、イギリスで、生き別れになった双子の男女が、お互い知らずに愛し合って結婚していた、というニュースが話題になった。2人は「双子とは知らなかった。お互いに避けがたい魅力を感じた」と話したとか。

 「三人吉三」に、まったく同じ話がある。生き別れになった十三郎とおとせの2人もまた実は双子の兄妹だったのだが、こちらの2人のほうは、兄・お尚吉三の手によって首を斬られて殺されてしまうのだ。理由は「畜生道に落ちた」から。

 おそろしい話だが、その点、現代においては、裁判所に「婚姻無効」を言い渡されるだけで済むのだから、実に安心だ。
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2007年07月01日

東京日記/6月

takamine.jpg 6月17・18日にヒッチハイクで東京へ行ったのだが、つい書きそびれてしまったので、遅まきながら備忘のために記しておく。

 6月17日 朝、ヒッチで到着後、渋谷のシアターコクーンで「三人吉三」立ち見。勘三郎(和尚吉三)×福助(お嬢吉三)×橋之助(お坊吉三)。初演を見逃したので楽しみにしていた。椎名林檎の曲を使っていることで話題になっているが、いつもの串田和美演出のノリで、それほど奇矯なことはしていない。

 終了後、すぐ近くの UPLINK FACTORY に「マチブイ★ローリングストーン〜高嶺剛作品特別上映会」を見に行く。「私的撮夢幻琉球J・M」(ジョナス・メカスが沖縄に来たときのドキュメンタリー)と「ウンタマギルー」(なつかしい!)の2本。上映後に高嶺剛×戸川純×四方田犬彦のトークショーがある。戸川純は「ウンタマギルー」で、ギルーの妹チルーというシャーマンっぽい役で出てくるのだが、この人の台詞回しと演技は最高。あと、故・照屋林助のワタブーショーが楽しい。高等弁務官の役は最初、ジョン・セイルズではなくデニス・ホッパーに打診したとか、いろいろと面白い話が聞けた。

 6月18日 歌舞伎座で「妹背山婦女庭訓〜吉野川」幕見。藤十郎(定高)は良かったが、幸四郎(大判事)がダメダメで盛り上がらず。その後、新橋で、今度取り壊されることになった黒川紀章の「中銀カプセルタワー」見学。いろいろ用事を済ませて再び歌舞伎座へ。芝雀を目当てに、最後の「船弁慶」だけ見る。真女形の芝雀が、めったにやらない立役(義経)を勤めているのに大興奮。よく考えたら、男が男の役をやっているだけなのだが、あいだに「男→女→男」というめくるめくジェンダー越境があって、これぞ究極のエロス!
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2007年06月29日

毛皮族「天国と地獄」

kegawazoku.jpg シアターテレビジョン(スカパー)で毛皮族の「天国と地獄」をやっていた。4月に新宿シアターアプルで上演されたもので、東京まで見に行ったのだが、今回あらためて見て、やっぱり毛皮族はすばらしいと思った。もちろん、この公演は酷評の嵐で、一緒に行った連中もあまりのつまらなさに激怒していたのだが、それでもフィナーレのフレンチカンカンだけは本当にすばらしかったし、いかにも毛皮族らしくて、楽しかった。

 失敗の原因は、ハコがでかすぎたこと、そして何より脚本がオッフェンバックの原作そのまますぎて、ダレダレになってしまったことだ。同じプロデュースで上演されたブルースカイ作演の「レミゼラブ・ル」(ママ)もかなり原作に忠実だったので、ひょっとしたら制作側の意向かもしれないが、黒沢明の同名映画(芝居の冒頭で例の身代金入りトランクが意味ありげに出てくる)と綯い交ぜにして、もっとメチャクチャな台本にしたら良かったと思う。

 そういえば、「天国と地獄」も「レ・ミゼラブル」も、ともに第二帝政期の作品だ。第二帝政下パリのブルジョア民衆が、いかに熱狂的にオッフェンバックを支持したか(そしてワーグナーを嫌悪したか)については、浅井香織『音楽の<現代>が始まったとき――第二帝政下の音楽家たち』(中公新書)という研究があって、これはなかなか面白い本である。

 それにしても「レヴュー」というのは、なぜこうも人の胸を熱くさせるのか。何度もアンコールされる毛皮族のレヴューを客席から眺めながら、自分はこういうのが若いときから本当に好きだった、そして今も大好きだし、これからもずっと好きだろう、と思った。ああ、毛皮族!そして誰よりもすばらしい、町田マリー!!
posted by unagi at 23:49| Comment(2) | TrackBack(0) | 演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月28日

宝塚に目覚める

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 いろいろと事情が重なって、このところずっと何もする気がおきず、ほんとうにダメダメな日々を送っていた。仕事から帰ってくると、コタツでゴロゴロしながらひたすらスカパーばかり見ていた。(1日2本ぐらい映画を見ていたから、今年に入ってもう100本近く見たことになるだろうか…。)

 で、さすがに生活上いろいろと支障をきたしてきたので、束の間の気晴らしに東京へ行ったのだが、そこで生まれて初めて<宝塚>を見たのである。「ベルサイユのばら〜フェルゼンとアントワネット編」。びっくりした。あまりの衝撃にクラクラと眩暈がした。というか完全に魂をわしづかみにされた。

 それ以来、ずっと宝塚のことで頭が一杯で、仕事中も気がつくと「愛〜それは〜かなしく〜♪」という「ベルばら」の主題歌を口ずさみ、家へ帰ってからは「オスカル編」のチラシに載っている朝海ひかるの写真を眺めながら、ただただウットリとしているのである。

 ああ、なんというか、ただもう夢中なのである…。
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2006年01月06日

曽我梅菊念力弦

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 正月なので3日間だけ東京へ行った。むかしは毎月必ず、東京へ歌舞伎を見るために出かけたものだが、最近は舞台を見るより江戸時代の台本や評判記を読むほうが楽しいので、毎月は行かない。今回も通例どおりお金のかからない手段での往復。
 洋行帰りの旧友と5年ぶりに浅草で会った。独文出身のくせに今はパリ大学で哲学を専攻しているらしい。いつものように場外馬券場横の「三ちゃん」で昼間から飲んだくれ、ついでに浅草寺へお参りに行った。初詣客のすさまじい雑踏に揉まれながら、頭上を飛んでくるお賽銭や落ちている小銭を一生懸命に拾った。おみくじを引いたら「末吉」と出た。あとはよく覚えていないが「蛇骨湯」に入ったり、山谷で焚き火にあたったりしたような気がする。
 翌日は歌舞伎座に藤十郎の襲名を見に行く。こってりした「先代萩」を堪能。さらに翌日(つまり昨日だ)、国立劇場で「曽我梅菊念力弦」を見る。ちなみに「そがきょうだいおもいのはりゆみ」と読む。鶴屋南北作の復活狂言で、例によって筋がとんでもなくマニエリスティック。しかし台本の面白さに比べたら芝居は退屈。(冒頭、梶原源太景季が零落して女郎屋の客引きをしている、という設定のバカバカしさ!!)
 ともあれ南座の顔見世から2ヶ月続けて芝雀丈を見られたことに満足しつつ、ひさしぶりに渋谷へ出た。ハチ公にお参りしてから、シアターコクーンで野田秀樹が「贋作・罪と罰」をやっていたので、フラっと立見席を買う。見終わって、時代が変わったのにここだけは何も変わっていない、という不思議な違和感だけが残った。
posted by unagi at 23:55| Comment(3) | TrackBack(0) | 演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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