2007年07月01日

東京日記/6月

takamine.jpg 6月17・18日にヒッチハイクで東京へ行ったのだが、つい書きそびれてしまったので、遅まきながら備忘のために記しておく。

 6月17日 朝、ヒッチで到着後、渋谷のシアターコクーンで「三人吉三」立ち見。勘三郎(和尚吉三)×福助(お嬢吉三)×橋之助(お坊吉三)。初演を見逃したので楽しみにしていた。椎名林檎の曲を使っていることで話題になっているが、いつもの串田和美演出のノリで、それほど奇矯なことはしていない。

 終了後、すぐ近くの UPLINK FACTORY に「マチブイ★ローリングストーン〜高嶺剛作品特別上映会」を見に行く。「私的撮夢幻琉球J・M」(ジョナス・メカスが沖縄に来たときのドキュメンタリー)と「ウンタマギルー」(なつかしい!)の2本。上映後に高嶺剛×戸川純×四方田犬彦のトークショーがある。戸川純は「ウンタマギルー」で、ギルーの妹チルーというシャーマンっぽい役で出てくるのだが、この人の台詞回しと演技は最高。あと、故・照屋林助のワタブーショーが楽しい。高等弁務官の役は最初、ジョン・セイルズではなくデニス・ホッパーに打診したとか、いろいろと面白い話が聞けた。

 6月18日 歌舞伎座で「妹背山婦女庭訓〜吉野川」幕見。藤十郎(定高)は良かったが、幸四郎(大判事)がダメダメで盛り上がらず。その後、新橋で、今度取り壊されることになった黒川紀章の「中銀カプセルタワー」見学。いろいろ用事を済ませて再び歌舞伎座へ。芝雀を目当てに、最後の「船弁慶」だけ見る。真女形の芝雀が、めったにやらない立役(義経)を勤めているのに大興奮。よく考えたら、男が男の役をやっているだけなのだが、あいだに「男→女→男」というめくるめくジェンダー越境があって、これぞ究極のエロス!
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2007年06月30日

参院選とウナギ

unagi_matsuoka.jpg 参院選まであと1ヵ月。「国民年金問題」と並んで、もっか火急の対策を要する「ウナギ問題」についての議論がなおざりにされている。しかしどの政党の選挙公約を見ても、ウナギの「ウ」の字も出てこないのはどういうことか。野党各党は「年金」と「ウナギ」の2本立てで、この選挙を戦うべきだろう。

 ウナギの将来について、悲観的なニュースが相次いでいる。ウナギ情報が詳しい「うなぎネット」を見ていても、最近では、欧州産シラスウナギの輸出制限、それに中国産ウナギから抗菌剤マラカイトグリーンが検出された件など、ウナギをめぐる環境は悪化の一途をたどっている。国民の大きな関心事である、この「ウナギ問題」の争点化を避ける政府与党に、われわれは怒りの声を上げなくてはならない。

 ※画像はウナギ養殖場を視察する故・松岡農水大臣。ちなみに彼は「人相が悪くなるから」という理由で、つねに伊達メガネをかけていた。
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2007年06月29日

毛皮族「天国と地獄」

kegawazoku.jpg シアターテレビジョン(スカパー)で毛皮族の「天国と地獄」をやっていた。4月に新宿シアターアプルで上演されたもので、東京まで見に行ったのだが、今回あらためて見て、やっぱり毛皮族はすばらしいと思った。もちろん、この公演は酷評の嵐で、一緒に行った連中もあまりのつまらなさに激怒していたのだが、それでもフィナーレのフレンチカンカンだけは本当にすばらしかったし、いかにも毛皮族らしくて、楽しかった。

 失敗の原因は、ハコがでかすぎたこと、そして何より脚本がオッフェンバックの原作そのまますぎて、ダレダレになってしまったことだ。同じプロデュースで上演されたブルースカイ作演の「レミゼラブ・ル」(ママ)もかなり原作に忠実だったので、ひょっとしたら制作側の意向かもしれないが、黒沢明の同名映画(芝居の冒頭で例の身代金入りトランクが意味ありげに出てくる)と綯い交ぜにして、もっとメチャクチャな台本にしたら良かったと思う。

 そういえば、「天国と地獄」も「レ・ミゼラブル」も、ともに第二帝政期の作品だ。第二帝政下パリのブルジョア民衆が、いかに熱狂的にオッフェンバックを支持したか(そしてワーグナーを嫌悪したか)については、浅井香織『音楽の<現代>が始まったとき――第二帝政下の音楽家たち』(中公新書)という研究があって、これはなかなか面白い本である。

 それにしても「レヴュー」というのは、なぜこうも人の胸を熱くさせるのか。何度もアンコールされる毛皮族のレヴューを客席から眺めながら、自分はこういうのが若いときから本当に好きだった、そして今も大好きだし、これからもずっと好きだろう、と思った。ああ、毛皮族!そして誰よりもすばらしい、町田マリー!!
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2007年06月28日

ミートホープ労組

meathope.jpg いま話題のミートホープ社で、全従業員の解雇を通告した社長に対し、女性従業員3人が労働組合を結成したらしい。団体交渉の開催と解雇撤回、過去5年の決算書の提出などを要求しているという。

ミートホープ女性従業員3人が労組結成、
解雇不当訴え(読売)


 こればかりでなく、「社長の妻に退職金が8000万円支払われた件」についても団交の場で徹底的に追及すべきだろう。

 あと、テレビでミートホープの本社が映るたびに、屋根の上にある牛のブロンズ像(?)が写し出され、これがなかなかかわいいのだが、ネットで画像を探しても見つからなかった。残念。
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2007年06月07日

ユニオンに弾圧

ユニオン・エクスタシーに初の弾圧が加えられた。
詳しくは、http://extasy07.exblog.jp/5839521/を参照。
食材があまったので今晩うちでバーベキューやります。
お近くの方はどうぞ。
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2007年06月02日

Union Extasy!

boudou.jpg 都知事選シリーズに続けて「フランス大統領選シリーズ」をやろうと思っていたのだけれど、なんとなく月日は流れ、はや6月である。フランスの状況については、『現代思想』フランス暴動特集を読めば、だいたいの様子がわかると思う。陣野俊史『フランス暴動――移民法とラップ・フランセ』もおすすめ。サルコジは石原と同じぐらい嫌いだ。

 で、今日からは労働運動の話である。最近、京大では、

  京都大学時間雇用職員組合 Union Extasy
  http://extasy07.exblog.jp/


という組合が結成された。現在、毎週火曜日の昼休みに時計台前で情宣活動を行っているが、なんとこれが「バーベキュー闘争」に発展するらしい。これは参加するしかない!!!

 関係ないが、「消えた年金問題」で窮地に立たされた政府与党が、責任逃れのための社会保険庁叩きに必死である。これを読んでみると、社会保険庁が「45分端末操作したら15分休憩」という覚書を組合(自治労)と交わしていたことを、「小学生の授業ではありません」「普通の神経を持っていたら「?」と思う」「恥ずかしげも無く」などと批判している。

 しかし普通に考えて、「45分端末操作したら15分休憩」するのは別に当たり前のことではないか?労働者の当然の権利ではないか?だって疲れるだろ、眼とか。肩とか。煙草吸ったり、お菓子食べたり、同僚と雑談したりしなきゃやってらんないだろ、そんな仕事。「民間では考えられない公務員天国」などと批判する前に、なぜ民間のレベルを公務員に合わせるよう指導しないのか、まったく理解ができない。

 「混み合う社会保険事務所。その受付の向こう側で、私たちを無視して休憩しながらコーヒーを優雅に飲み続ける職員。そんな姿に怒りを覚えたこと、ありませんか。」と自民党はいうが、コーヒー飲んで休憩するのがなぜ悪いのか?どこが「優雅」なのか?(ブルーマウンテンでも飲んでいるのか?マイセンの茶器でも使っているのか?)そもそも窓口が混み合うのは、人員削減の結果ではないか。激しい怒りを覚えるのは自民党だ。
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2007年04月19日

東京都知事選・20

(おまけ) 2007年東京都知事選の最良の瞬間を、備忘のために記録しておく。
≪浅野史郎・新宿東口最終演説/13分≫
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東京都知事選・19

ayaya.jpg これまであえて書くのを自粛してきたことを、最後なので書くことにしたい。それは、私は黒川紀章のデタラメさが実は大好きだ、ということである。自らクルーザーを操縦して隅田川を溯上したり、ヘリコプターで伊豆諸島まで飛んでみたり、ガラス張り選挙カーで石原慎太郎の選挙演説に乱入し、「銀座の恋の物語」を大声で歌って妨害するとか、その選挙活動のすべてが好きだった。開票速報を見てガックリと落ち込んでいるところとか(本気で当選すると思っていたらしい)、その一挙手一投足からつねに目が離せなかったし、最初から最後まですべてが謎であり、バカバカしく、それでいてクールだった。

 実際、都知事選はパフォーマンス選挙である。有権者が1000万人もいるような巨大選挙区では、もはや街頭演説など何の意味ももたない。そこでは、いかに自らのイメージをうまくマスコミに載せるかということだけが問われており、それに石原は成功し、浅野は失敗した、というだけのことだ。浅野のマラソン姿を見て、落選を確信したのは私だけではあるまい。プレスリーを歌うのは悪くなかったが、いかんせん小泉の二番煎じであったのは最悪だった。

 ところで、黒川紀章がはじめて出馬を表明したとき、彼が石原の古くからの友人であること、日本会議のメンバーであることから、とんでもない保守反動の候補である、などと言われた。しかし私は、ある理由から、ずっと昔から彼の言動には人並みはずれた注意を払ってきたのだが、この男がかつて何か政治的な発言をするのを聞いたことがない。だから今回の出馬は、単純に(オリンピック受注をめぐる)私怨に端を発したものであると私は考えている。

 さて、ある理由――もうすでにお気づきかもしれないが――それは、彼が他ならぬ「若尾文子の夫」である、ということである。若尾文子。ああ、ここにこうしてその名を記すだけでも、はげしく胸がふるえ、熱くこみあげてくるものを抑えることができない。――私の青春のすべて。生きることのパッション、情熱と受苦をあますところなく教えてくれた不世出の女優、若尾文子!

 古い話だが、黒川紀章が「きみはバロックだ」というセリフで若尾文子を口説いたという話は、ある年代以上の人間なら誰もが知っている。しかしこの言葉は、私にとって長い年月のあいだ、大きな謎であった。若尾文子のどこがバロックなのか?――確かに、「刺青」や「清作の妻」や「赤い天使」における若尾文子の激情は、例えばローマにあるベルニーニの「聖テレジアの法悦」などを連想させなくもない。しかし今回、ブラウン管で見かけた若尾文子は、あたかもボッティチェッリの描く聖母のように、ただやさしく静かに微笑んでいるのだった。私にとって2007年の都知事選は、駄作「春の雪」に出演して以来、ひさびさに若尾文子が人々の前に姿を現した、というこの奇蹟のような一瞬によって長く記憶されることになるだろう。(了)
posted by unagi at 23:47| Comment(3) | TrackBack(0) | 都知事選 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月11日

東京都知事選・18

ishihara_shintaro.jpg 当選後、さっそく傲慢モード全開に戻った石原慎太郎が、「神戸の地震で(自衛隊に派遣要請する)首長の判断が遅れて2000人が死んだ」と発言した。これに対して兵庫県知事らが猛反発し、「全く根拠のない発言」などと抗議している。

 だが考えてみれば、ベルクソン発言にしても、ババア発言にしても、かつて石原の発言に何か根拠があったことなど、一度だってない。はっきり言って、すべてが捏造である。しかしそれでも、「2000人が」とか、「ベルクソンが」とか、「何々教授が」とかヌケヌケと言われると、一瞬、根拠があるのかと誰もが思ってしまう。稀代のペテン師たるゆえんである。

 石原はまた同時に、「情報公開は難しい」「職員のプライバシーにも関わってくる」などとふざけた発言をし、警察の捜査報償費の公開についても、「おかげで警察の捜査は非常に難航するようになった」「この種の情報開示は間違ってるし、するつもりはない」と述べた。報償費が、現場の捜査に全く使われずに、巨大な裏金となっていることは多くの証言からも明らかであるのに、このようなデタラメを信じている都民は数多くいる。

 ともあれ、石原の悪政について、まだまだ書き残したことは多い。しかしもう紙幅がなくなってきたので、書こうと思っていた項目のメモだけを備忘のために記しておく。(次回完結)

・トーキョーワンダーサイト事業と「能オペラ」
・ヘブンアーティスト制度(大道芸人のライセンス化)
・文化予算の削減(東京都交響楽団問題→楽団員の有期雇用化、評価制度の導入)
・新宿2丁目への弾圧、(刑法の前田雅英による)エロ漫画規制
・知事交際費と豪遊(ガラパゴス旅行)
・民主党都連の(石原側近)極右偏向都議
・危険きわまりない「三宅島オートレース」
・「築地」移転問題
・「お台場カジノ構想」はどこへ?
・外型標準課税の失敗と「新銀行東京」の累積赤字
・オリンピックとファシズム
・藤原紀香と中村勘三郎が石原を支持した件
・焼酎「森伊蔵」
・『太陽の季節』を読む
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2007年04月10日

東京都知事選・17

asano_shiro.jpg 「浅野史郎」と「佐野史郎」は似ているなどと世上よく言われるが、この名前を聞いて、映画マニアがすぐに連想するのは「浅野四郎」のことである。浅野四郎は、1899年に日本で初めて映画(「芸者の手踊り」なる短編ドキュメンタリー)を撮った人物として、映画史上に記憶されている。他にも「化け地蔵」「死人の蘇生」などといった、題名を聞いただけでもワクワクするような映画を撮っていたらしいが、すべて残念ながら私は見たことがない(というか現存しない)。

 それはさておき、浅野史郎である。私のまわりは基本的に反石原の人間ばかりなので、「(東京では)どうして石原があれほど支持されるのか?」という疑問の声がひじょうに多かった(今日までに10人以上に訊かれた)。「石原を倒せるのは田中康夫だけ」と個人的にはずっと思い続けてきたが、現在言われているように、対抗馬としての浅野史郎にそれほど魅力がなかったとは私は思わない。やはり今回は、選挙戦術のマズさが決定的だった、と思う。

 石原慎太郎の人気を支えているのは、まず何よりも「決断力」「行動力」「国に対してはっきり物を言う」などのイメージであり、これは要するに、かつての“小泉人気”と全く同質のものである。それに対して浅野は、民主党との関係が不透明だったこと、「オリンピック」「築地」に対して曖昧な態度を示したこと等々によって、「優柔不断な浅野」というイメージが完全にできあがってしまった。「立ち止まって考える」という姿勢が完全に裏目に出てしまった。ワンフレーズ・ポリティクスが流行りの当節では、「分かりやすさ」こそが至上の価値とされるのだろう。

 ともあれ教訓として、「分かりやすさ」は選挙戦術として極めて重要。しかし同時にまた、ここには危険も含まれている。それによって切り捨てられてしまうものも、たくさんあるからだ。「うるさい、黙ってろ!当たり前の手順を踏んで、民主的にやるんだよ!物事は多数決なんだから!」と石原は言う。このような発言に激しく違和感を覚えるのは、そこに「対話」と「合意形成のプロセス」が全く存在しないからである。そのような態度を、断じて「民主的」とは言わない。(続く)
posted by unagi at 12:52| Comment(2) | TrackBack(0) | 都知事選 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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